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賃貸需要の変化と空室率の推移

不動産投資や賃貸経営では、賃貸需要の変化や空室率の推移を把握しておくことが重要になります。家賃収入の安定性は、こうした指標にも大きく左右されるためです。ここでは、賃貸需要の動きや空室率がどのように変わってきたかについて整理してみます。

賃貸需要とは何か

賃貸需要とは、賃貸住宅に住みたいと考える人の数や、住宅を借りたいというニーズの強さを指します。この需要は、社会環境や経済状況、人口動態によって常に変化していると考えられます。

たとえば、単身世帯の増加、共働き世帯の増加、高齢化の進行などは、賃貸需要の構造そのものに影響を与える要素です。さらに、リモートワークの普及によって住まいの選び方が変わったことも、ここ数年の大きな変化の一つだと思います。

賃貸需要の変化を引き起こす主な要因

賃貸需要は、次のような要因によって動きやすいと感じます。

1. 世帯構成の変化
2. 生活スタイルの多様化
3. 経済状況
4. 地域再開発やインフラ整備

空室率とは何か

空室率とは、賃貸物件のうち、実際に入居者がいない部屋の割合を示す指標です。

空室率が高いと、家賃収入が安定しにくくなり、利回りにも大きな影響を与えます。空室率の推移を見ることで、その地域の賃貸市場の健全性や、今後のリスクの高さをある程度推測できるかもしれません。

賃貸需要と空室率の関係

賃貸需要と空室率は密接に結びついていると考えられます。

【需要が増加する場合】

  • 空室が減る
  • 家賃が上昇しやすい

【需要が減少する場合】

  • 空室が長期化しやすい
  • 家賃の引き下げ競争が激しくなる

空室率の推移(全国データを参考に)

全国の賃貸住宅における空室率は、総務省「住宅・土地統計調査」によれば以下のように推移しています。

  • 1998年時点:11.5%
  • 2008年時点:13.1%
  • 2018年時点:13.6%

このように、全国平均では緩やかな上昇傾向が続いています。特に地方圏では、人口減少や供給過剰の影響により、空室率が20%を超えるエリアも存在しています。

一方、東京都心部や一部の政令指定都市では、人口流入が続いているため、比較的低い空室率を維持している地域もあります。

賃貸市場を見るうえで意識したいこと

上記のように、賃貸需要や空室率のデータを参考にするときには、単なる数字だけを見るのではなく、その背景も含めて考えるのがよいかと思います。

賃貸需要と空室率は、不動産投資の成否を大きく左右する要素ですので、最新のデータを定期的にチェックしながら、地域や物件ごとの状況を丁寧に見極めていくことも必要になります。

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