価格の値下がり
土地の価格や建物の値下がりは、誰もが想定できるリスクです。土地については立地やタイミングが肝心です。エリアの人口が将来どうなるかも大きな判断材料です。建物についても減価償却分の値下がりは見込んだ上で、さまざまなシミュレーションをしておくことが必要になります。
また、地価やマンション価格は景気動向や金融政策(金利の上下)によっても影響を受けやすいため、マクロ経済の変動も見逃せません。
賃料の値下がり
賃貸物件は増え続ける傾向にあり、値下がりは起こり続ける現象です。競合と比べた付加価値、入居者にアピールできる強みの有無が重要になります。
築年数の経過により設備が古くなると、周辺の新築・築浅物件との競争に負けて賃料を下げざるを得ないケースもあります。また、リモートワークの普及などによる住まいのニーズの変化も今後の賃料に影響する可能性があります。
空室
急に発生するリスクが空室です。賃貸契約は通常2年ですが、途中解約もできるため、入居者に何かしらの事情が発生した場合には当然起こりうることです。空室が出た後に新しい入居者をいかに早く見つけるかが大事になります。
特に単身者向け物件では、就職・転勤・結婚などで短期間での退去が起こりやすく、空室リスクが高くなる傾向があります。入居募集の速さや広告手法、家賃設定の見直しなど、管理会社との連携も重要です。
災害
近年高まっているのが災害のリスクです。大地震や異常気象による台風などは避けられないので建物の構造のチェックなどの対策が損失を左右します。建物の倒壊などが起きた時に、維持管理の不備があったとして入居者に訴えられたという例もあります。
さらに、洪水・土砂災害などのハザードマップで指定されたエリアでは、保険料の上昇や入居希望者の減少といった間接的なリスクも無視できません。火災保険や地震保険の加入、適切な耐震補強などで備える必要があります。
不良入居者
家賃の滞納や器物損壊などを繰り返す人がいた場合、余計なコストを生じさせるリスクとなります。事故物件として扱われるような事態も可能性はゼロではないので、入居時の審査は非常に重要になります。
近隣住民とのトラブルが続いた場合、管理体制への信頼低下にもつながり、他の入居者の退去が相次ぐリスクもあります。連帯保証人や家賃保証会社の選定、トラブル発生時の対応マニュアルの整備も有効な対策です。
管理会社の対応リスク
物件の管理を委託している場合、管理会社の対応品質もリスク要因になります。入居者募集に時間がかかる、クレーム対応が遅れる、メンテナンスが行き届かないといったことが、結果として空室や退去の原因になることもあります。
法改正・制度変更リスク
税制改正や建築基準法、民法などの法制度の変更によって、これまで有利だった投資環境が変化することもあります。
たとえば、住宅ローン減税の縮小や賃貸借契約に関する法改正が行われると、賃料設定や運用方法に影響が出る場合があります。日頃から法制度の動向にも目を向けておくと安心です。