2

「不動産」と一致するもの

収益還元法は、鑑定対象となる不動産が、将来的に生み出すであろう
利益をベースに不動産価格(収益価格)を求める方法です。

収益価格の算出方法には2通りあります。

一つが直接還元法という、純収益を総合還元利回りで割って
算出する方法です。

(例)
年間5,000万円の純収益を生み出すオフィスビル
このビルに対する投資利回りが5%
⇒ビルの価格は5,000万円÷5%=10億円

もう一つが、DCF法といわれる方法で、毎期のキャッシュ・フローの
現在価値を合計して収益価格を算出します。

原価法
取引事例比較法

不動産の鑑定評価方法のひとつ、取引事例比較法は、
対象となる不動産の評価に役立つ取引事例を数多く集めて、
それらを比較検討することで価格(比準価格)を求めていく方法です。

他の取引事例価格に対して、以下の要因を加味します。

・地域要因(その地域の特性)
・個別的要因(地盤や日照、法的制限など対象不動産固有の特性)

また、事情補正(売り急ぎや買い急ぎなどの特別事情の排除)と
時点修正(取引時点と価格の評価時点との違いによる修正)を
行い、価格を算出していきます。

原価法
収益還元法

不動産鑑定評価書は、資格を持った不動産鑑定士が、
不動産をさまざまな観点から評価して、その価値を
金額で表すデューデリジェンスのレポートです。

不動産評価には原価法、取引事例比較法、
収益還元法の3つの方法が用いられます。

原価法
これは不動産を評価する時点で再調達した場合に
いくらかかるかという再調査原価を計算する方法です。

鑑定の対象となる不動産は価格時点よりも以前に
調達されているため、物理面、機能面で価格の
下落分が発生します。それを差し引く減価修正
行い、積算価格を算出します。

取引事例比較法
収益還元法

デューデリジェンスの経済的調査では、不動産鑑定評価書を
利用して、不動産の評価額の算定が行われます。

その他、第三者専門会社のマーケットレポートなどを利用した
市場調査により事業の収益性を判断したり、事業計画そのものの
精査なども実施されます。

デューデリジェンスの法的調査は、不動産の権利関係
(所有者、テナント契約、トラブルの有無など)や、
所有権・賃借権の登記の把握から始まります。

そして、第三者対抗要件(すでに効力の生じている
権利関係の変動などを第三者に主張するための要件)が
整っているかも確認します。

行政法規への遵法性

建築基準法、都市計画法など行政法規に不動産が
適合しているかの確認も大切です。

建築当時は適合していても、法令改正によって
適合しなくなってしまうケースも発生するからです。

現在の法令に適合していない建築物を「既存不適格建築物」と呼び、
その建物を新たに建て替える場合、同じ建物は立てられません。
(法令違反とはなりません)

不動産の物的な状況を調べるのが、
デューデリジェンスにおける物的調査です。

不動産取引の対象となる土地および建物を、
詳細に調査することになります。

土地に関しては、対象地の確認から始まり、
隣地との境界、地質、地盤強度、埋蔵文化財、
建物の残留基礎部分、地下室跡、防空壕跡、
産業廃棄物や土壌汚染の有無などを調べます。

建物の状態については、外壁、玄関、屋上、
柱間隔、天井高、床の積載荷重、空調、
耐震性能、有害物質の有無(アスベストなど)、
修繕の必要性などを調べます。
エンジニアリングレポートを用いた調査が
一般的です。

デューデリジェンスの実施方法

買い主が対象不動産を調査するデューデリジェンスを行う場合、
物的調査、法的調査、経済的調査の3分野について実施されます。

●物的調査
土地と建物の状況を詳細に調査するのが物的調査です。

  • 土地状況調査
  • 建物状況調査
    • エンジニアリングレポート
    • 自身リスク分析
  • 環境調査
    • 土地調査レポート
    • 環境調査レポート

●法的調査
不動産の権利関係等を調査するのが法的調査です。

  • 権利関係調査(所有、賃貸借など)
  • 法務局調査(登記簿、公図など)
  • 行政法規調査(都市計画など)
  • 訴訟状況調査

●経済的調査
対象不動産の評価額の算定や収益性の調査を
行うのが、経済的調査です。

  • 価格調査(不動産鑑定評価書)
  • マーケット調査(マーケットレポート)
  • 事業収支調査(事業計画書)

デューデリジェンス(Due Diligence)とは、不動産取引が行われる際、
買い主や投資家が不動産を調査し、投資価格やリスクがどの程度か
適正に評価することをいいます。

日本では一般に、売買した不動産に何らかの欠陥があった場合は
売主側にそれを直す義務が負わされる瑕疵担保責任の負担という
原則があり、また不動産仲介業者が買い主に対して権利関係などを
調査し説明することが義務付けられてます。

しかしデューデリジェンスの普及に伴い、買い主や投資家側にも
自己責任およびリスクを意識した上で投資することが求められる
ようになりました。

一つには、以前のように土地を買うことが優先された時代から、
不動産が生むキャッシュ・フローへの評価が重視されるようになり、
購入した不動産に欠陥があれば大きな影響を受けてしまうように
なったことが背景にあります。

不動産用語としてのアセットマネジメント(資産運用)は、
不動産や不動産管理を担い、投資家の効用を最大にするよう
運営することを言います。

・不動産の効用を高める
・不動産を新たに取得する
・不動産を処分する
・投資資金を調達する

これらに加えて、投資家や金融機関との交渉、
報告レポート作成、資産運営戦略策定など、
業務内容も多岐にわたります。

実際にはその業務範囲は明確でない場合が多く、
アセットマネージャーとしての仕事を行う際は、
どこからどこまでを担うのかケースに応じて
しっかり確認することが大切です。

これは、日本では所有と経営が一体となっている
場合が多いため、資産運用の業務がしっかり
確立されて来なかったという歴史的背景が
背後にあると言われています。

企業金融(コーポレート・ファイナンス)とは

企業金融は、企業の価値または信用力と、
全保有資産を保証の引き当てとして
資金を調達する方法です。

銀行からの借り入れ(間接金融)や、
投資家から直接資金を調達する直接金融が
これにあたります。

特に後者の株式や社債を発行して
資金を集める方法が、企業にとっての
資金調達方法として大きな役割を
果たすようになってきています。


資産金融(アセット・ファイナンス)とは

資産金融は、特定の資産だけを引き当てに
資金を集める方法で、保有する不動産や
売掛金債権を証券化するなどして資金を調達します。

資産を担保とする証券を
ABS(Asset Backed Securities)と呼び、
その市場は拡大しています。

不動産ビジネスにおいてアセットファイナンスを
活用することが今後より重要になると思われます。

  1 2 3 4 5 6 7  

スポンサードリンク

メニュー

お気に入りに追加

サイト内検索

キーワード

  • SEOブログパーツ